施設からのニュース

あかぼこ山 2002年10月1日号

HeadLine

  1. 介護保険のサービス(その3)
  2. 在宅介護教室から
  3. 敬老の日
  4. お知らせ
    特養ホームを良くする市民の会」施設訪問調査(10月4日)・秋の遠足(10月24日)

HeadLine 2002.08.01号 あかぼこ山 20号
2002.06.01号 あかぼこ山 19号

1.介護保険のサービス

訪問介護(ホームヘルプサービス)

介護保険での在宅サービスの中で、最も中心的な位置付けを担っているのが訪問介護サービス(ホームヘルプサービス)です。文字通りホームヘルパーがご自宅を訪問して必要な介護を行うというものですが、これまで一般的に認知されていた「家政婦」という意味でのホームヘルパーと、介護保険で言うところのホームヘルプサービスとは少し異なります。

  1. 要介護者の介護のため

    介護保険での訪問介護は「要介護者のための介護」のみを対象にしています。ですから被保険者ご本人の介護に関る作業以外は対象外ということになります。例えばヘルパーが来ているからとご本人にかかわる以外の事を頼まれても行う事は出来ません。また同一世帯内でまかない得る家事作業は基本的に対象外になります。例えば一人暮しの方に対する掃除や洗濯などは対象になりますが、ご家族同居の方に対する掃除や洗濯は対象外となります。(但し老夫婦世帯等、介護者自身が家事能力に欠ける場合などは別です。)

  2. ケアプランの上で

    ホームヘルパーが行う介護作業はあらかじめケアプランの中で枠組や内容が指定されています。この場合の枠組とは介護作業の種類と時間帯です。介護作業はおおまかに言うと「家事」と「身体介護」に区分けされます。「家事」とはその方の身体に直接かかわらない事を指します。具体的には掃除、洗濯、調理、買物などです。「身体介護」とはその方の身体に直接かかわる作業を指します。具体的には排泄介護、入浴介護、食事介護、移動介護などです。そしてこれらがケアプランの中で生活課題に沿って組み合わされて提供されます。例えば一人暮しで排泄介護が必要な方に対して、2時間幅で買物と調理を行い、食事介護と排泄介護を行うといった具合です。また、昼間介護者が仕事をしているため留守をしている間の食事や排泄の介護や、夜間の排泄介護のみといった例もあります。

  3. ご利用にあたって

    ホームヘルパーは他の介護サービスと異なり、ヘルパーがご家庭の中でその方の暮らしそのものを援助するという形でサービス提供を行います。(それゆえにご利用に対して抵抗感を抱く方もいらっしゃいます。)ですから、ヘルパーとのコミュニケーションがとても大切で、生活のどの部分を、どのようにしたいから、どう手伝って欲しいのかの意志の共有が必要になります。たいていのヘルパーに対する苦情は意志の疎通の不充分さが原因だと思われます。また、稀な例ですが、ヘルパーを昔ながらの「女中」感覚で捉える方がいらっしゃいますが、それは百害あって一利なしです。介護の上でのパートナーの一人だとご理解頂くことが適切だと言えます。


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在宅介護教室から

食べる〜飲み込むにかかわる介護とその工夫

9月29日に実施致しました在宅介護教室のテーマは「食べる〜飲み込むにかかわる介護とその工夫」でした。その中から「摂食・嚥下に関する加齢的変化」について若干ご紹介致します。

 高齢者の方々には咀嚼して飲み込む際にむせ込むことが増えてきたと感じる方々が多いかと思います。その主な原因は年齢を重ねるにつれ生じる摂食・嚥下にかかわる各器官の機能低下にあります。特に片麻痺などの障害のある方はこの部分にも障害のある場合があり、むせ込みや誤嚥の危険性が多くなります。一言で摂食・嚥下と言ってもその過程は複雑です。おおまかに見ても、「食物を認識し口へ運ぶ〜歯で噛み砕く〜飲み込むのに適切な大きさの塊にする〜喉に送る〜気道入り口を閉じて食道を開く〜食道から消化管へ送り込む」といった各段階があり、各段階ごとにそれぞれの器官が役割を分担しながら協調して仕事をしています。そしてその中のある部分の動きが悪いとか協調性が取りづらいなどの機能低下があると、スムーズな食事が取りづらくなり、ましてや食物が通過する際に気道の入り口の閉鎖が不充分だったりするとむせ込みや誤嚥の可能性は高まります。このような場合、まずその障害がどうして発生しているかを調べる事が必要となります。そしてその因果関係に適した対応を検討します。具体的には、食事場面に直接関係するもの

  1. 姿勢〜体幹の安定・頚部の角度・膝や股関節の角度・食卓の高さと距離〜
  2. 食形態〜硬さ・大きさ・粘調性〜
  3. 介助方法〜一口の量・介助のペース・適切な食器や器具〜
と、食事を介さずに行う訓練
  1. 嚥下体操
  2. 呼吸訓練
  3. 口唇・舌・頬などの筋訓練・アイスマッサージ・咳訓練
などがあります。

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敬老の日

おばあちゃん写真 今年も9月には敬老会が行われました。「敬老」とはいえなんとなくお年寄りが肩身の狭くなるようなご時世ですが、今の時代は紛れもなくお年寄りの皆さんが受け渡してくれたもの。目先にとらわれ疎かにすることなど出きるはずはありません。
 さて、今回は当施設のお客様で最高齢の方のことをご紹介させて頂きます。お名前は佐伯操(さえきみさお)様。1903(明治36)年3月28日生れ、今年白寿(99歳)を迎えられました。ご自身にお年を伺うと「自分では96歳だと思っているんだけど。」と3つほど誤魔化しています。

(生れはどちらですか?)
 生れた家は北海道室蘭。雑貨屋をしていたよ。あれ八百屋だったかな?あの頃は子だくさんは当たり前、8人兄弟の3番目だったよ。

(当時の室蘭の様子はどんな風でした?)
 鉄鋼所と港町かな。あの頃はよかったよ。

(お仕事は?)
 あのころ看護婦さんに憧れていてね、高等小学校を卒業してから製鋼所付属病院産婆看護婦養成所って所を受験したんだ。毎年15人しか合格しないんだけど合格してね。それが16歳の時。その後3年間の見習い期間をがあって、19歳で晴れて一人前の看護婦になったんだよ。それからずっと働き通し。

(結婚は?)
 20歳の時。姉の家が鉄鋼所をやっててね、そこの若い衆と結婚させられたんだ。でも仕事は続けたよ。昔の男はみんな威張っていたけれど、姉の所の人だったから私には威張れなかったみたい。子供は男3人女3人で6人、それだけ出来たんだから夫婦仲は悪くなかったのかな。

(いつ東京に?)
 25歳の頃、姉の鉄鋼所が江東区大島に出てきたんで、主人も一緒に出てきたんだ。だけど戦争の空襲で焼けちゃった。私ん所は大島6丁目だったけれど8丁目に牧場があったんでそこにみんなで逃げて難を逃れたんだ。運が良かったんだね。それから亀戸に移ったん だけれど私が46歳の時、主人は51歳で病気で死んじゃった。その時にはまだ末っ子が小学校前だったからねえ、そりゃ大変だったよ。亀井戸第2小学校の保健室に勤めることが出来て、それから頑張ったね。その頃にはお産は病院でするようにはなっていたけれど1週間もすると退院でしょ。すると近所の人ん所に行って沐浴の仕方やらなんやら教えたり、やってあげたりもしたんだ。もちろんお金なんて取らないよ。

(子供さんは?)
 あんな時代なのに今でもみんな元気だよ。長男は鉄鋼所をやってる。家は3階建てで1階が工場で3階に住んでいたんだ。でも結局行ったり来たりが大変でね、それでここ。長男の嫁は末っ子の友達でね、家に遊びに来ていたんだ。いい子だったよ、あの頃は。

(来年の3月には100歳になりますね。)
 今の様子じゃあ嫌でもそうなっちゃいそうだね。でも子供たちは何かしてくれるかねえ、一応期待はしているよ。

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お知らせ

  1. 「特養ホームを良くする市民の会」施設訪問調査(10月4日)

     民間の団体で「特養ホームを良くする市民の会」という組織があります。文字通り施設サービスを利用する市民の立場から、安心して利用できる質の高い社会資源としての特別養護老人ホームを増やすために、様々な活動を行っています。例えば各老人ホームを訪問調査して実情を把握、その結果を情報公開したり、その結果として必要と思われることを行政に要望するなど、その活動は多岐にわたります。 この度、その訪問調査が当施設でも実施される事となりました。どのような評価が出されるのか少し心配ではありますが、判りましたら皆様にもお知らせしたいと思っております。なお、「特養ホームを良くする市民の会」の活動については下記のホームページをご参照願います。

    http://plaza17.mbn.or.jp/~tokuyou/

  2. 秋の遠足(10月24日)

     今年は国営昭和公園へ出かける予定です。時期的には一面に咲き乱れるコスモスの頃、広い敷地の中を散策しながらお弁当を広げる予定です。もしご家族様の中で、「うちのおバアさんといっしょに行ってみるか。」とおっしゃられる方、またはご近所の方で「自分でも車椅子を押してあげられるかな。」という方がいらっしゃいましたら、当方までご一報願います。外出行事の時は、人手は多いに越した事はありませんので、ぜひお越し下さい。お待ちしております。

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