2006.05.15号
あかぼこ山 38号



1.        リフト車の寄付を頂きました (^o^)

 4月21日。この日、かの有名な「NHK歳末助け合い(共同募金)」から寄付として頂戴することが出来ましたリフト車の納車がありました。実を言えば、昨年施行された排ガス規制のため、それまで頑張っていたリフト車が現役のまま引退を余儀なくされてしまい(ガソリン車でしたので「え?」という印象でした)、それ以後約半年間、軽自動車のチェアキャブその他をやりくりして凌ぎつつ、手を合わせ息を潜めるように配分を心待ちにしておりました。まさに復帰してきた主力投手を迎えるような感慨をもって、早速運転席に「禁煙車」のシールを張らせて頂きました。思えば私自身、NHKの歳末助け合いに募金をした記憶に乏しく、「今年からは自分も・・・・ささやかながら・・・ちょっとだけ・・。」と心の中でつぶやきました。

 「この度、東京都共同募金会から配分を頂き『リフト車両』の整備事業が完了致しました。謹んで、関係各位に心から感謝申し上げます。

 皆様からNHK歳末助け合い共同募金へ寄せられました寄付金は、このような福祉事業活動に活用させていただいております。」(施設長 小嶋弘次)

2.        口腔ケアの講習がありました。

 4月28日に当施設の訪問歯科診療をお願いしております 功生歯科医院 吉田憲生先生 を講師に向かえ、口腔ケアの講習会が行われました。口腔ケアと一言でいいますが、先生によると口腔ケアは単なる口腔洗浄ばかりではなく、口腔機能向上訓練(リハビリ)をも含んだ総合的なものとのことです。「口腔機能向上訓練」とは普段耳慣れない言葉ですが、今回の介護保険の一部改正の中で位置づけられ、介護報酬加算の中に組み込まれている重要な分野です。先生は「簡単に言えば、むせ込みがあり食事摂取に問題がある方の咀嚼、嚥下機能を高めることにより、食事摂取が無理なく行えるようになることを目指すリハビリテーション。」と説明してくださいました。(今回は時間の関係で口腔洗浄に絞ってお話いただきました。以下はその概要です。)

高齢者の死因の主要なものに肺炎があり、その中でさらに占める割合が大きいものに誤嚥性肺炎があります。誤嚥性肺炎とは通常は気道には入らないはずの微細な食物などが肺の内部に侵入し、そこで炎症を引き起こすものを言いますが、嚥下反射の弱った高齢者の場合、時には睡眠中など本人も気がつかぬうちに口腔内の残渣物や唾液が肺に進入し肺炎を引き起こします。特徴的なのは発熱しても37〜38℃台程度の熱が長引きながら進行するというもので、治りづらい風邪だ程度に思っていたものが重篤な状態に陥るという場合が多いそうです。誤嚥性肺炎を予防するために重要になるのが口腔洗浄(歯みがき)です。口腔洗浄で一番留意すべき点は歯周病菌を取り除くことにあります。歯周病菌は嫌気性なので、歯肉溝の歯垢で増殖します。最近の研究では抵抗力の衰えた状態でこの歯周病菌が血液を通して体内に進入し、脳梗塞や心筋梗塞に影響していることが判り始めているとのことです。(但し、誤嚥性肺炎を引き起こす口腔内細菌は他にもあり、歯周病菌は口腔内細菌の一部です。)歯周病菌がもたらす疾患については高齢者に限ったことではなく、その他の年代も同様です。以下にそのポイントをあげてみます。

1)    ブラッシングは毎食後に行い、5〜6分は費やして行う。

2)    歯ブラシはヘッドの幅の狭いもので、毛先の柔らかいものを使用する。使用するのはヘッドの先端から1/2くらいまでを意識する。

3)    ブラッシングは歯と歯茎の間(歯肉溝)をブラシの先部分で掻き出すようにブラッシングする。毛先がつぶれるように力を入れない。

4)    歯間は歯周病菌に対する抵抗力が弱い部分。正面から毛先を歯間に差し込み、押し出してから背部から掻き取るようにする。

5)    うがいは頬を膨らませてブクブクうがいを行う。

なお、入歯を使用している場合には次の点を留意します。

6)    入れ歯は食後必ずはずして洗浄する。

7)    うがいは頬を膨らませてブクブクうがいを行い、頬と歯の間に残渣物が残らないよう注意する。

認知症などで歯磨き介助しなければならない場合、次のような留意点があります。

8)    介助者が右利きの場合、座位の高齢者の右後ろに立つ。(嫌がることが多く、正面からでは手で払いのけられるなどの妨害にあうため。)

9)    左腕を首の後ろから回して、口角左端から2cmほどの上唇を人差し指でめくり、ブラシを入れる。(この時、下唇に指を当てると噛み付かれる等の行為に対応できない。)

10)どうしても腕を振り回す等の場合は、2人目の介助者が高齢者の肘関節の内側に手を当て、体幹に固定するように対応する。

以上

3.        季節の足音。

1)            春季例大祭

毎年、春の日差しとともに施設に溢れんばかりの元気を届けてくれるのが地元下長渕の春の例大祭。神輿連、囃子連のご好意で、今年も49日の例大祭の日に、お祭りの雰囲気をそのままにお神輿やお囃子がやってきました。お祭りの熱気は、見ているだけで胸躍る気持と若かりし頃のあの事この事を思い出させてくれるようで、「あの頃は私もね、」とひとしきり。その時の笑顔はとても生き生きとしていらっしゃいます。

(元気な掛け声とともにあふれる熱気が伝わります。)  (いつもは山車の上で。今日は舞台の上で。)

2)            お散歩クラブ

昨年度、レクレーションクラブの一部として行ってきましたが、今年度から「お散歩クラブ」として独立しました。「外出すること」と「何かを食べてくること」が活動の基本で、それ以外は結構なりゆきです。今回も始めの行き先は若草公園だったのが、羽村のチューリップ畑になって、結局七国山薬王寺に出向きました。理由は「つつじがきれいだから。」「お金がかからないから。」「担当が行ってみたかったから。」等々。青梅市内では塩船観音寺のつつじはとても有名ですが、そこから車で5分ほどにあります七国山薬王寺も負けず劣らず見事なつつじに囲まれています。坂道に車椅子を押してゆくと、突然目にしみるような赤、ピンク、紫、白の鮮やかな色が現れます。昨年末に入所されたS.J様。寝たきりの方でこの春ようやく食事を自分で食べることが出来るようになり、それから短い言葉ですがお話もされるようになりました。今回、ティルティング車椅子に乗って初めての外出。5月の陽の光を体いっぱいに浴びて「きれいだよ〜、きれいだよ〜。」と一面のつつじを前に声をあげていらっしゃいました。

皆さんにはその後、ミニストップのソフトクリームを楽しんで頂きました。こんな天気の日にぴったりの冷たさに「おいしいよ〜、おいしいよ〜」の声の主はやはりS.J様。でも何でミニストップ?それは「セール期間で安かったから。」「担当が・・・・から。」

4.施設からのお知らせ

1)夏の交流会のお知らせ

    少し早いような気がしますが、今年も当施設の行事「夏の交流会」を72日(日)行います。ご家族様、地域の皆様にはぜひお越し下さいますようお願い申し上げます。玄関前では「お祭り広場」を設けて、お子さん達にも楽しんで頂けますよう模擬店も出ますので、夏の1日をお楽しみくださいますようお願い申し上げます。

   日時   2006年7月2日(日) 午後1時〜3時    場所 カントリービラ青梅玄関前および2

   内容  @お祭り広場(玄関前)  Aビアホール(2階食堂) B展示会(1階会議室)

※電車をご利用の際には、JR東青梅駅南口に1230分〜1330分の間で送迎車を運行いたしますので、そちらもご利用ください。

3)            在宅介護教室

    介護保険制度の改正に関連して、高齢者の口腔に関わる介護や機能向上訓練などへの評価が行われるようになり、注目されるようにました。今回の介護教室は口腔ケアについて取り上げてみたいと思います。意外と気がついていないことも多いのがこのテーマで、日々新しい視点が提供されています。多くの方々のご参加をお待ちしております。

日時   2006年6月25日(日) 午後1時30分〜3時  場所 カントリービラ青梅食堂

テーマ  「口腔ケアに関わるあれこれ」  

その他  当日午後1時10分にJR東青梅駅南口に施設送迎車を用意いたしますので、ご利用ください。また、車等でお越しの方は当施設ホームページ(http://www.country-villa.com/の「施設の紹介」(交通アクセス)を御覧ください。