2006.01.15号
あかぼこ山 37号



新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。


 
新年明けましておめでとうございます。旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り心より御礼申し上げます。

私どもカントリービラ青梅はこの4月で開設20周年を迎えることとなります。これも一重に地域の皆様のご支援、ご指導とご鞭撻の賜物と法人・施設役職員一同心より御礼申し上げます。
今を去る昭和61(1986)年4月17日、当地に特別養護老人カントリービラ青梅を開設させて頂きました。当時は高齢者介護の問題に対する一般的なコンセンサスも少なく、他所では有害施設のような扱いを受けることもあったようです。そのような中であっても地域の皆様には温かい目で見守って頂き、また微力ではありますが地域の社会資源として受け入れて頂き、ようやく今日に至ることが出来ました。その間、高齢者介護をめぐる情勢は大きく転換しました。それまで高齢者の介護は家族と行政の仕事という枠組みで動いていました。しかし高齢化社会を迎えるにあたり、それだけの担い手では財政的にも能力的にも限界があることが明らかとなり、平成12(2000)年に介護を社会全体の仕事として取り扱う介護保険制度が出来ました。それにより高齢者介護は名目でなく実質的に多くの方々に支えて頂く制度となりました。振り返れば当施設のお客様もこの流れとともにありました。開設当初の10年間は、長期入院やバブルの地上げで行き先の無い一人暮らしや老人世帯の高齢者への対応が主でした。どちらかといえば重度の介護をどのように行ってゆくかというより、「行き場の無いお年よりの終の棲家」として体の不自由な方々にどのようにすれば生きがいを持って過ごして頂けるかが大きな課題でした。例えば様々な行事に取り組んだり、夜にお年寄りを居酒屋に連れて行ったり、一泊旅行へ行き新鮮な魚を召し上がってもらう等、施設生活の中に普通の暮らしを演出するための試行錯誤の連続でした。それが次の10年、特に介護保険制度が始まってからは次第に身体介護そのものへの対応が業務の中心を占めるようになってまいりました。新しく入所される方々は要介護度で言えば4ないし5の方々が主流となり、それらの方々への介護作業だけで日常業務が手一杯、それまで大きなウェイトを占めていた余暇活動はどこへやらという状況になりました。現在では寝たきりや認知症の為に重度の介護が必要となり、そのために自宅での介護が困難となった方々へ介護を行う施設となっております。また、その「重度の介護」の中身も毎年のように重度化しており、胃ろうや腸ろう、経管栄養などが必要な方も珍しくはありません。まさに療養病棟化しつつあります。

本年は介護保険制度の改正が実施される年となっております。改正の概要につきましては各種報道(昨年来本紙上でもご紹介してまいりましたが)を通して既にご存知のことと思いますが、その主要な点は「介護予防制度」の創設にあります。これまでは要介護、要支援認定を受ければ直接介護保険制度の利用が出来るシステムでありましたが、この4月からは現在の要支援、要介護度1程度の認定の方を介護予防制度に移行し、新たに設けられる地域包括支援センターを中核として、要介護状態になることを予防する観点からの介護予防サービスで対応することになります。新制度創設の動機としては、統計で要介護者のうち約半数を占める要支援、要介護度1の方々への介護給付を削減することで、介護保険財政の支出増抑制策としての役割を果たす効果が挙げられておりますが、長期的には健常者対象の地域支援事業も含めた、より広範な高齢者全体に対する要介護化防止対策としての効果こそがより期待されているところであります。

私どもカントリービラ青梅はこの地で20年、皆様にとってより良い地域資源であるためにはいかにあるべきかを目指してまいりました。ご家庭や地域で、「介護に関わることが出来たら、まず最初にあそこに相談してみよう。」と言われる皆様の拠りどころになるべく、これからも研鑽を積んで参りたいと思っております。出来ますならば、一人でも多くの皆様のご意見、ご要望を拝聴させて頂けますようお願い申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。                                   (20年前。あのキミは〜若かった〜)

特別養護老人ホーム カントリービラ青梅

 施設長 小嶋弘次


1.今年もインフルエンザ

 今年もインフルエンザの流行期となってまいりました。当施設では、例年この時期をインフルエンザ、ノロウィルス等の施設内感染防止対策強化月間としており、ご面会の方にもご協力をお願いしております。具体的には

@ご面会前の手洗い、手指消毒、うがいの実施。

A面会場所の限定(1階ホールまたは会議室)。

B場合応じてマスクの着用。

となております。皆様のご協力をお願いいたします。なお、ご家族様等が風邪や下痢症状のある期間についてはご面会をお控え下さいますよう重ねてお願いいたします。

なお、インフルエンザ等感染症の流行状況については、東京都感染症情報センター http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/top.html を参照ください。

2.施設の風景

1)展覧会

 昨年11月、友田小学校で2年に1回開催される展覧会に、学校側のご好意により今回もお年寄りの作品を出品させて頂きました。年々お年寄りの状態も重度化し、作品を作ることの出来ない方も増えてきています。しかし出品することへの意欲や気持ちの張りは、気力と活力を呼び覚ましてくれるようで、なかなかの力作がそろいました。今回の目玉はお年寄りと子供たちの交流の場を作ろうと、寄せ書き式の掲示物を張り出し、そこに子供たちのメッセージカードを張ってもらいました。題して「ふれあいの樹」。「今度遊びに行きます。」「お体に気をつけてください。」等の心温まるたくさんのメッセージを頂きました。中には「1兆円貯めるぞ!」などの威勢のいいものもあります。施設の舞台に掲示してありますので機会がありましたらご覧下さい。


2)その他いろいろ

 ☆ お年寄りに会いに来てくださるかわいい子供たちの姿には、自然と頬が緩んでしまいます。

(青梅みどり第一保育園の園児さん:みんなで手遊び) (駒木野保育園の園児さん:クリスマス)
(駒木野保育園の園児さん:クリスマス) (美味しいよ!:餅つき) (友田小学校音楽クラブのハンドベル演奏会)

3.施設からのお知らせ

1)ご家族さまへ (Eメールアドレスのお届けのお願い)

 これまで私ども施設とご家族様との連絡は電話ないし郵送物で行われてまいりました。施設介護計画などの策定にあたり、情報のやり取りを詳細に行う必要が出てきたこと、情報の流れが一方通行になりやすいこと、時間的な制限が生じやすいことなどから、出来れば方法のひとつとしてEメールでの連絡を行うことが出来ればと考えております。例えば施設介護計画ではA4で数枚になるアセスメントシートを添付ファイルにてお届けし、ご意見等をご入力の上ご返信いただく等の作業が、ご家族様の任意の時間に行うことが可能となります。つきましてはご自宅のパソコンのメールアドレスをお持ちの方は、前記の事情をご考慮頂き、メールアドレスをご連絡いただけますようお願い申し上げます。(もちろんお届けいただきましたアドレスにつきましては個人情報取り扱い規定に則した管理をさせて頂きます。)御了承頂けます方は下記のアドレスにご入所中のお客様のお名前とご家族様のお名前を添えてメールをお送りいただけますよう重ねてお願い申し上げます。

  カントリービラ青梅 (countryvilla-ome@mth.biglobe.ne.jp

2)在宅介護教室のお知らせ

 今年度最後の在宅介護教室を下記の要領で行います。つきましては沢山の皆様のご参加をお待ち申し上げております。

(日時) 2006年3月26日(日) 午後1:30〜3:00  ※当日13:00東青梅駅南口に送迎車が出ますのでご利用ください。 

(場所) カントリービラ青梅    (テーマ) 『介護事故を防ごう!』 〜事故対策は基礎知識と危険予知が何より大事〜

. おまけ

 右の写真は20年前の施設長です。お年寄りの一泊旅行の付き添いで伊香保に行ったときのものでお年寄りの付き添いをして元気に歩いているところです。さすがに髪の毛も黒くて体つきもしっかりして、そして何より若かった!