■ 2005.11.01号
■ あかぼこ山 36号
1.『地域包括支援センター』をご存知ですか?
すでにご存知のこととは思いますが、平成18年4月より新しく介護予防制度が始まります。掲げられているテーマは「予防重視型への転換」です。これまでの介護保険による介護サービスが、主に要介護状態になった方々を対象としていたものであるのに対して、介護予防制度は、現状では要介護状態に至っていない広範な高齢者を対象に、これらの方々が要介護状態になることを予防する目的で行われるという性格を持っています。そしてこの介護予防制度の中核として位置づけられているのが「地域包括支援センター」です。(地域包括支援センターは平成18年4月1日より運営を開始する予定です。)
1)地域包括支援センターの役割
地域包括支援センターとは主に予防・福祉・ケアマネ支援の機能を持っており、具体的には次の4つの役割とされています。また、それぞれの分野の専門職として保健婦・社会福祉士・主任ケアマネージャーが配置されています。
@
介護予防事業のマネジメント。
A
介護保険外のサービスを含む、高齢者や家族に対する総合的な相談・支援。
B
被保険者に対する虐待の防止、早期発見等の権利擁護事業。
C 支援困難ケースへの対応などケアマネージャーへの支援。
そして主には以下の2つの分野で機能することになります。
A)現在の認定では「非該当」に属する高齢者が要介護、要支援状態に至ることを防止するための「地域支援事業」
B)現在要支援認定を受けている方(要支援1)および要介護度1の認定を受けている方で認知症がなく状態の安定している方(要支援2:現在の要介護1認定の8割程度と想定されています)が、要介護状態に至ることを防止するための「介護予防事業」
2)新予防給付(介護予防事業)のサービス利用
ここで上記の新予防給付について、厚労省の資料等からその概要とこれまでとの違いについて想定してみます。(現在モデル事業が行われています。)
例えば現在「要介護1」の認定でデイサービスセンターなどを利用している方が来年4月以降の更新で「要支援2」の認定を受けたとします。するとこれまでは居宅介護支援事業所のケアマネージャーがサービス利用の仲立ちを直接行っていたのですが、介護予防サービスを利用する場合には、まず地域包括支援センターに出向くこととなります。そこで介護予防マネジメント契約を取り交わし、次に居宅介護(予防)支援事業所に業務の委託を経て、新たにケアマネージャーと向かい合うこととなります。ケアマネージャーは全国共通の「新予防給付アセスメント項目」に基づきアセスメントを行い、介護予防計画を策定へと向かいます。但しこれまでと異なる点は、サービス利用計画には事前に地域包括支援センターの承認が必要となり、またこれまで居宅支援事業所が行ってきた国民健康保険団体連合会(国保連)への給付管理業務を地域包括支援センターが一括して行うことになります。つまり地域包括支援センターは実質的には介護予防サービスの給付量を管理する機関ということになり、場合によっては利用希望者が希望した利用内容が地域生活支援センターでNOと判断される可能性は十分ありうる内容になっています。次にそのサービス内容は、
・
従来からあるサービスを介護予防重視型に重点を移したメニュー
(例えば予防訪問介護は単なる家事援助ではなく、本人が家事に取り組めるよう指導援助する役割となる等)
・
要介護状態に陥ることを防止するための心身のリハビリ、健康増進を中心としたメニュー
(筋力向上、栄養改善、口腔機能向上等)
で構成されます。また、サービス提供も3ヶ月をめどに効果測定が行われ、一定期間に効果が得られて目標に至れば終了、望めなければ見直しということになります。ですから要支援1および2に該当する方々にとっては、これまでとは異なり、「自力で自分の生活を維持すること」を支援するためのサービスとなることを念頭に入れておく必要があります。
なお、この新しい認定へは平成18年4月1日以後に認定の有効期間が終了し、新たに更新認定を受けられる方から順次移行することになります。ですから現在要支援、要介護度1の認定を受けられていて、例えば認定の有効期間が平成19年1月となっている方は平成18年4月1日以後も平成19年1月までは現状のサービス利用が可能となっておりますので、ご注意ください。
2.施設の風景
1)月例行事「秋の遠足」(10月3日)
関越自動車道路東松山ICから車で15分ほど走ると国営武蔵丘陵森林公園に到着します。秋晴れの中、園内の雑木林や池の周辺を車椅子の車列を作って散策し、ススキやフジバカマなどの野草、群れ飛ぶアキアカネ、道端の栗の毬など、もりだくさんの秋の風情を満喫しました。丘陵地を利用した公園の敷地はかなり広く、散策といっても地図で見てみれば南口ゲート付近のほんの僅かな部分ですが、それでも草地を越えたり細い小路を進んだり、しかものぼり下りもたっぷりで押し手のあごもすっかり上がる2時間の道程となります。それでも「ほら、トンボがいっぱい!」と、笑顔で両手の指を精一杯空に伸ばしている指先を見れば、急に背筋に力が入るのだから不思議なものです。
2)実習生
施設には介護福祉士や社会福祉士の専門学校から実習生が定期的にやってきて施設実習を行います。施設のお年寄りにも職員にも実習生の持つ「新鮮さ」は大きな励みになります。そんな実習生の中で、今年友田小学校の先生で新任研修の一環として当施設で体験実習に参加した先生がいらっしゃいました。いつもは元気な子供たちが相手ですが、施設のお年寄りとなるとかなり勝手が違うようで、「戸惑いながら」という言葉がぴったりあてはまるようでした。それでもさすがは先生、そんな中でもやるときはやる。写真はクッキングクラブで杏仁豆腐を作ったときのものですが、エプロン姿でてきぱきと。出来上がった後はこのように笑顔で「どうぞ、召し上がってください(^^)。」この経験が子供たちと向かい合うときの喜びの糧となればと願っております。
3.施設からのお知らせ
1)在宅介護教室
最近、高齢者の食事について見直されるようになっているのをご存知ですか?これまで高齢者の栄養管理といえば成人病や慢性疾患に対する食事制限が中心で、どちらかといえば味気ないものになりがちな傾向がありました。ところが、この食事制限中心の栄養管理が、お年寄りに「低栄養状態」を作り、反対に疾患に対する抵抗力を損ねているというのです。今回はそんなテーマを中心に在宅介護教室を開催いたします。ぜひお気軽にお越しください。
(日時) 11月27日(日) 午後1:30〜3:00 (場所) カントリービラ青梅 2階食堂
(テーマ) 「高齢者の食事について」
(交通) 多摩バス「万場坂」停留所徒歩2分。当日は東青梅駅南口に13:10に送迎車が出ますのでご利用ください。
2)月例行事「餅つき」の参加者募集
ちょっと早いような気もするのですが、今年も年の瀬に餅つきを行います。「昔とった杵柄」と言いますが、その言葉通りで杵を振るって頂ける方を募集いたします。(経験のない方も大歓迎。お子さんにパパの勇姿をプレゼントされては如何ですか?)もちろん、掛け声だけ、触るだけ、見てるだけ、食べるだけ、の皆さんもどうぞ。お持ちつきは賑やかなほうが楽しいに決まってますから。
(日時) 12月25日(日) 午前9:30〜11:30 (場所) カントリービラ青梅玄関前
3)施設で働いてみませんか
介護施設で働いてみませんか?資格がある方はもちろんですが、初めてという方でもどうぞ。正直に言えば楽な仕事ではありませんが、働く気概があって、仕事に正面から立ち向かえる方を募集しております。詳しくは下記までお問い合わせください。
カントリービラ青梅 0428(23)6233 (事務長:大久保)
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